日本内科学会雑誌
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フォルマリン処置タンニン酸赤血球による抗ストレプトキナーゼ・ストレプトドルナーゼ値の測定にかんする研究
石井 宏禧
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1969 年 58 巻 2 号 p. 117-126

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抄録

最近,リウマチ熱の診断にとつて抗ストレプトリジンO(ASLO)以外の血清抗体の簡単な測定法の出現が望まれている.著者は容易に入手しうるストレプトキナーゼ(SK)とストレプトドルナーゼ(SD)の混合製品を抗原として用いて,患者血清中のanti-SK・SDを簡単に測定しうる新しい方法を考案した.本法における終価はASLO値とほゞ相関を示すが,一般にはより高い値を示す場合が多いこと,諸疾患および外見的健康者,合計293例における検討で,リウマチ熱,猩紅熱,急性腎炎,リウマチ性心疾患,扁桃炎などにおいて比較的高い値をしめすことを見出し,この新しい簡単な方法がリウマチ熱の診断に際し,先行レンサ球菌感染の血清学的証明方法としてASL-O値と並んで臨床的に用いうる可能性があると述べた.

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