日本内科学会雑誌
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気管支喘息および薬物過敏症の抗原および薬物によるリンパ球幼若化現象
市丸 道人豊増 省三木下 研一郎朝長 万左男
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1971 年 60 巻 1 号 p. 29-35

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抄録
即時型アレルギーとされる気管支喘息,薬物過敏症を有する症例の末梢血リンパ球をそれぞれのアレルゲン水溶液(気管支喘息では皮膚試験陽性を示したハウスダスト,真菌類,ブタクサ等,薬物は起因薬物と考えられるもの)の適量で,培養液TC 199,自己血漿と共に5日間培養し,おのおの約60%の症例に有意のリンパ球幼若化現象を認めた.幼若化細胞は喘息アレルゲンで最高16.4%,若薬物で3.4%であつた.比較的高率を示した症例3例について再度観察したが,やはり比較的高率の幼化がみられた.以上の成績から,抗原の特異性に問題は残るにしてもこのような即時型アレルギーにおいても抗原認識はリンパ球が担当しており,抗原再刺激によりimmunologically performingcell に変るものと思われる。しかしアレルギー現象であるそれぞれの身体症状の発現の機序については種々の問題があると思われ,リンパ球幼若化現象とそれらの関係について多少の考察を加えた
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