日本内科学会雑誌
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糖尿病,尿崩症, Kleine-Levin症候群を合併したLaurence-Moon-Biedl症候群
林 弘長谷川 栄一沢 宏紀金丸 正泰竹沢 英郎高崎 浩
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1972 年 61 巻 11 号 p. 1414-1420

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抄録

身長141.5cm, 71.5kgの女性で,網膜色素変性,肥満,知能障害,多指趾症,血族結婚を兼ねたLaurence-Moon-Biedl症候群に糖尿病および尿崩症を合併した症例を経験したが,この症例で,狂暴性,嗜眠発作,脳波のalpha波消失, IQ=27をも認めた.また, metyrapone, ACTHに対し,下垂体,副腎は正常に反応,トルコ鞍も正常であつた.糖尿病がinsulinでコントロールされ,耐糖能も正常化されると,同時に,低張尿,多尿(6~8l),口渇がみられ, Pitressinテスト, Carter-Robbinsテスト,口渇テスト,口渇-Pitressinテスト等により,下垂体性尿崩症と診断した. P607 250mgにより,尿量は減少したが, thiazide利尿薬は無効であつた. Laurence-Moon-Biedl症候群の原因は不明であるが,糖尿病,尿崩症,狂暴性や嗜眠発作等のKleine-Levin症候群を合併し,これらの合併症があつたところから,一連の広範な間脳障害または,発育異常により生じたものと考えた.

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