日本内科学会雑誌
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Allergic granulomatous angitisの1例
横山 芳正河野 保青木 幹雄
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1975 年 64 巻 6 号 p. 565-573

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抄録

1951年ChurgならびにStraussは剖検例を主として13例のallergic granulomatous angitisを報告した.本症は,臨床症状として喘息,発熱,好酸球増多および多臓器病変を示し,組織所見では壊死性血管炎と肉芽腫病変を認めることが特徴である.われわれは生前に本症と診断し得た希な症例を報告する.症例は29才,女.約3年前喘息発作で発症し,関節痛および息切れを主訴として入院した.胃・小腸の多発性潰瘍を発見し,その切除組織に壊死性血管炎,類上皮細胞と巨細胞を伴う肉芽腫病変を認めた.経過中発熱,好酸球増多,体重減少,皮疹がみられた.副腎皮質ステロイド剤投与により臨床症状は軽快し,検査成績は正常化した.本症例はChurgらが記載した臨床症状および病理組織所見のほとんどすべてを認める定型的allergic granulomatous angitisと考えられる.

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