日本内科学会雑誌
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知能低下・自傷行為および食塩依存性高血圧を伴つた尿酸排泄障害型痛風患者の1例
川井 紘一藤田 敏郎板倉 光夫清水 哲小出 義信久貝 信夫木村 哲山下 亀次郎尾形 悦郎
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1980 年 69 巻 6 号 p. 751-755

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抄録

15才より痛風発作を発症,高血圧症を合併し,さらに精神薄弱,自傷行為,無虹彩,高位口蓋,停留睾丸等の身体小奇形を伴う18才,男性患者において,その高尿酸血症の原因を検討した. hypoxanthine-guanine phosphoribosyltransferase活性および尿酸排泄量は正常,尿酸クリアランスは著しく低値,腎機能は軽度低下という結果と共に,特別な原疾患が考えられないことから,原発性尿酸排泄障害型痛風(おそらく尿酸分泌不全による)と診断した.また,高血圧は食塩依存性の本態性高血圧と判定された.以上より本例において高尿酸血症および高血圧症の原因として,ともに尿細管の機能障害が示唆された.

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