日本内科学会雑誌
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好中球にAuer小体を認めた急性骨髄性白血病の1例
大島 充一塩原 保彦浅野 真青木 功外山 圭助
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1985 年 74 巻 6 号 p. 795-798

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抄録

多形核好中球にAuer小体を認めた急性骨髄性白血病(FAB分類M2)の1例を報告する.患者は, 37才,男性.建築業で, 3週間続いた発熱を主訴に荻窪病院に入院した.入院時,白血球6300/cmmで,芽球5.5%,前骨髄球1.5%,好中球28%を認めた.骨髄は芽球,前骨髄球にて占められていた.白血病細胞の細胞化学所見よりM2と診断した.末梢血や骨髄の芽球および多形核好中球にAuer小体を有する細胞を認めた.電子顕微鏡的検索では, Auer小体を有する好中球では,二次顆粒が全く欠如している事が明らかになつた.これらの所見より,この細胞が白血病クローン由来である事を示すものと考えられる.

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