日本内科学会雑誌
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心尖部梗塞の存在に伴う急性期の心電図変化と病態に関する臨床的検討QRS scoring systemによる評価
清野 精彦長江 安洋亀井 真一郎洪 芳樹田中 啓治加藤 貴雄高野 照夫早川 弘一奥村 英正
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1986 年 75 巻 11 号 p. 1588-1596

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抄録

急性心筋梗塞初回発作連続56例を対象に,断層心エコー法と201mTl心筋SPECTにより梗塞部位を診断し,心尖部梗塞の存在に伴う急性期の心電図変化と病態を明らかにした. 1)前壁・心尖部梗塞(AAp)群は前壁(A)群に比し,第1病日V3Qd (duration), V4Qd, V4QRSs (score), V5 QRSs, total QRSs, nQ (異常Q出現誘導数)が大であり,第7病日にはV2Qd, V3Qd, V4QRSs, V5QRSsが有意に大になる事が明らかにされた. 2)AAp群とA群の間に収容時血行動態, peak CK/CKMBに有意の差はなかつたが, AAp群でLVEFが有意に低値であつた. 3)下壁・心尖部群と下壁群の間には特徴的差異はなかつた. 4)AAp梗塞の診断基準として, V4QRSs+V5QRSsが有用であつた.

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