日本内科学会雑誌
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MY7+, MY9-, OKB2+, OKM1+なる表面マーカーを呈した慢性好中球性白血病と考えられる1例
加藤 信介佐藤 方則中村 克己
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1986 年 75 巻 6 号 p. 792-798

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抄録

症例は93才,女性.意識障害にて入院.入院時,肝脾腫,下腹部腫瘤を認めた. CTにて脳梗塞,卵巣〓腫と判明した. ESR 10/25, CRP(±),末血像はWBC 33100/μlで成熟好中球が91%を占め,骨髄像はNCC 195000/μlで成熟顆粒球系の増加がみられた. NAP-scoreは362であり, NBT還元能は20%,墨粒貪食能は0.91であつた. AFP, CEAは正常域であり, V. B12は3200pg/dlと高値を示した.染色体検査ではPh1染色体は陰性.胸,腹部単純X線像,消化管ファイバー等に異常所見なく, 67Gaおよび99mTcシンチでも異常はみられず,類白血病反応を起こす疾患はなかつた.以上より慢性好中球性白血病(CNL)と診断し,その表面マーカーを検索したところMY7+, MY9-, OKB2+, OKM1+であつた1例を報告し, CNLの研究の〓助とした.

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