日本内科学会雑誌
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臨床症状と尿中カテコラミンの上昇を平行して認めたBarré-Liéou症候群の1例
則武 昌之高谷 治井村 満男
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1986 年 75 巻 9 号 p. 1279-1285

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抄録

外傷の既往なく,顔面のほてり,後頭部痛,眩暈および耳鳴などのBarré-Liéou症候群の症状を主訴とし,その症状と平行して尿中カテコラミンの上昇を認めた症例を報告し, Barré-Liéou症候群と全身的交感神経緊張との関連について若干の考察を加えた.症例は46才,男.尿中カテコラミン高値を指摘され入院.検査所見では褐色細胞腫の所見は認めず,頸椎についてもBarsony stone以外の所見は認めなかつた.症状発作と一致して尿中カテコラミン上昇を認め,全身的な交感神経の緊張により症状が出現したものと考えた.本性候群には局所的な因子のみでなく,全身的な交感神経の緊張がその主因となつている例も存在していると考えられた.

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