日本内科学会雑誌
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高aldosterone血症を伴った17α-hydroxylase欠損症の1例
門野 聡古川 賢一松沢 賢二古田 精市
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1987 年 76 巻 10 号 p. 1565-1572

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抄録

高aldosterone血症を伴った17α-hydroxylase欠損症の1例を経験した.症例は17才女子高校生.高血圧,低力リウム血症,二次性徴の欠如を認めた.無処置時には電解質コルチコイド過剰を認め,血漿aldosterone値(PAC)も正常上限の約2.2倍と上昇しており,糖質コルチコイドおよび性ステロイドは低下または一部正常範囲内であった. dexamethasone投与により血圧は正常化し,電解質コルチコイド過剰も是正された.無処置時にはPACとACTH値との間に有意な正の相関が認められ, PACはangiotensin III負荷試験には反応しなかった. dexamethasone投与時にはPACとangiotensin II値との間に有意な正の相関が認められ,またPACはfurosemide立位負荷試験に反応し上昇した. metoclopramide負荷試験ではPAC上昇を認めなかった.以上から本例のPAC調節様式はdexamethasone suppressible hyperaldosteronismに類似していると思われた.

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