日本内科学会雑誌
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自己赤血球感作性紫斑病の1例
太田 康男河村 元博大田 健森田 寛竹内 二士夫三田村 忠行鈴木 修二宮本 昭正
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1987 年 76 巻 8 号 p. 1285-1289

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抄録
数回の手術既往があり,四肢に有痛性,反復性の紫斑が出現した20才女性の症例.紫斑の他にも,関節痛,腹痛,下痢,血尿,下腿浮腫など多彩な症状がみられた.出血傾向がなく結合織病もなく,遣伝的背景もないことから自己赤血球感作性紫斑病を疑い,自己赤血球の皮内接種を行なったところ,自然発症のものと同様の紫斑が出現した.しかし,本症例では心理テストにおいて自罰的性格と判定され,経過観察中に関節痛に対してプラセボが有効であったり,友人の自殺後紫斑が増悪するなど, Ratnoffらの主張するように,その発症に心理的要因が強く関与していることが特徴であった.
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