日本内科学会雑誌
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末梢神経障害を伴ったeosinophilic fasciitisの1例
世古 義規富谷 智明黒尾 誠高野 清豪野島 美久寺井 千尋山田 明高久 史麿清水 輝夫井上 聖啓
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1988 年 77 巻 3 号 p. 370-374

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抄録

症例は17才,男性. 13才時,運動後に両側前腕の発赤,疼痛を伴う腫脹が出現,その後両側膝関節周囲の炎症が出現し,以後症状の消長を繰り返す. 15才時,四肢末端の知覚障害,四肢の運動後脱力症状が出現. 16才時,当科入院となる.末梢血に軽度の好酸球増加および血清lgEの高値を認めるも,その他の検査所見は正常であった.左前腕の筋生検にて治癒過程にある筋膜の炎症性変化が認められ, eosinophilic fasciitisと診断された.また神経には組織学的に異常所見を認めなかった.ステロイドホルモンを投与するも著効なく,免疫抑制薬にも一時的に反応するのみであった.末梢神経障害を伴う点とも併せて,貴重な症例と考え報告した.

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