日本内科学会雑誌
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77 巻 , 3 号
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  • 大沢 仲昭
    1988 年 77 巻 3 号 p. 313-317
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 高橋 文夫, 中本 安, 間宮 繁夫, 三浦 亮
    1988 年 77 巻 3 号 p. 318-325
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    造血器腫瘍354例における腎・体液異常について検討した,経過中何らかの電解質異常が80%の症例にみられ,腎障害(s-Cr≧1.5)も27.5%にみられた.疾患別にみると,白血病では低Na,低K,低Ca,低P血症の頻度が高く,悪性リンパ腫でも同様の傾向であったが,骨髄腫では高Ca血症が多くみられた.白血病でみられた異常は多尿を伴った例に多く, Na, K, Ca, Pの著明な尿中喪失が注目され,投与されたアミノグリコシド系抗生物質による尿細管障害が主因と考えられた.剖検腎107例の検討では,急性白血病にみられた腎障害は,化学療法に関連して生じたものが大部分であり,慢性型の造血器腫瘍では,疾患固有の合併症による腎障害が多くみられた.
  • 森 孝夫, 山辺 裕, 横田 慶之, 前田 和美, 福崎 恒
    1988 年 77 巻 3 号 p. 326-331
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肥大型心筋症(HCM)における左室機能に及ぼす因子を検討した. HCM 17例に201Tl ECTを施行し,潅流欠損を認めなかった12例を1群,認めた5例を2群とした.造影X線CTから左室心筋量(m)と容積(v)を,心プールシンチよりl/3 filling fraction (1/3FF), ejection fraction (EF)を求めた. 1群ではm/vは1/3 FF, EFと良好な相関を認めた. 2群ではm/vとEFの関係は1群と同様であったが, 1/3 FFは1群での回帰直線よりも低値を示した.心筋生検上% fibrosisは2群が1群よりも高い傾向を示した.以上より, 201Tl潅流欠損を有するHCMでは心筋量と左室容積で規定されるよりも著しい左室拡張能の低下を示し,この基盤に心筋病変の存在が推察された.
  • 長尾 建, 上松瀬 勝男, 佐藤 和義, 佐藤 洋一, 渡辺 郁能, 弓 幸史, 河野 通, 梶原 長雄
    1988 年 77 巻 3 号 p. 332-336
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心筋梗塞発症ごく早期の冠動脈造影では,責任冠動脈の血流が遅延なく流れている狭窄のみを呈する例(狭窄群)を見る.この狭窄群の心筋梗塞は責任冠動脈の狭窄のみで発症するか否かを知る目的で,対象を冠動脈造影と血栓溶解療法を実施し,かつ血清creatine kinase (CK)を30分毎に連続測定したcollateralのない初回梗塞33例とした.冠動脈造影所見より狭窄群,溶解群(本療法で責任冠動脈の血流が再開した),無効群(本療法で血流が再開しなかった)に分け,そのCK流出曲線を3群間で比較した.この結果,梗塞発症早期のCK最大流出速度と流出動態は狭窄群と溶解群が近似していた.以上より狭窄群もまた,責任冠動脈の閉塞があったと推測した.
  • 岩田 政敏, 佐藤 篤彦, 早川 啓史, 本田 和徳, 吉見 輝也, 喜納 勇, 山崎 晃, 中沢 浩二
    1988 年 77 巻 3 号 p. 337-344
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺病変を有した結節性硬化症の1例を経験した.症例は31才,女性.労作時呼吸困難を主訴に入院.脳内石灰化,網膜過誤腫,肝血管腫,腎血管筋脂肪腫の合併を認めた.胸部X線像では微細粒状影が全肺野にみられ,過膨脹所見を呈していた. BALF中には多数のhemosiderin-laden macrophageを認めた.開胸肺生検組織では,胞隔の線維化,肺胞上皮の腺腫様増殖と嚢胞壁に平滑筋細胞の肥大,増生を認めた.肺組織内にプロゲステロン,エストロゲンレセプターは検出されず,プロゲステロン投与にても症状の改善はなかった.過誤腫性肺脈管筋腫症との異同を考える上で,組織学的,ホルモン学的に興味ある症例と考えられた.
  • 村本 環, 大井 長和, 西村 一雅
    1988 年 77 巻 3 号 p. 345-350
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    頭部造影CTの際,脳底槽を中心とするくも膜下腔に認められる著明な造影効果は結核性髄膜炎の特徴的な所見とされている.著者らは上記所見を有する結核性髄膜炎の1例を経験し,約1年間にわたり,臨床症状,髄液所見,脳底部造影効果の経時的変化を観察した.抗結核療法開始後,臨床症状と髄液所見はほぼ平行して改善し,脳底部造影効果の軽減は前二者の改善する経過とよく対応していると考えられた.この事は,脳底部造影効果が結核性髄膜炎の経過を観察する際に,髄膜炎の活動性や抗結核療法の効果を判断する上で有用な指標となりうることを示すものと考えられた.
  • 向井 正也, 佐川 昭, 渡部 一郎, 酒井 勲, 大西 勝憲, 中川 昌一
    1988 年 77 巻 3 号 p. 351-356
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例, 49才,女性.昭和42年に特発性血小板減少性紫斑病を発症し,ステロイド・免疫抑制剤の投与を受けていた.昭和59年7月全身倦怠感・黄疸を自覚し,著明な貧血と白血球減少症のため当科に入院した.入院時, Hb 4.9g/dl,白血球900/cmm,総ビリルビン3.2mg/dlなどより自己免疫性溶血性貧血および白血球減少症と診断し,ステロイド薬の大量投与を行ない,貧血・白血球数の改善を認めた.昭和60年1月,高熱・頭痛・失語を生じ,髄液よりクリプトコッカスを証明し, amphotericin B, 5-fluorocytosineの併用で寛解した.ステロイド減量後血小板が減少し,脾臓摘出により軽快した.特発性免疫性汎血球減少症と考えられ,文献的考察を含め報告した.
  • 西 耕一, 小西 堅正, 堀田 祐紀, 名村 正伸, 金谷 法忍, 大家 他喜雄, 杉原 範彦, 松田 保
    1988 年 77 巻 3 号 p. 357-363
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    23才,女性で重症心不全を呈した産褥性心筋症の1例を報告する.患者は分娩後全身浮腫を認め来院. DIC (disseminated intravascular coagulation),右心不全主体の両心不全で,また心電図では広範囲前壁梗塞症様所見を認めた.通常の心不全療法に加え, ECUM, IABP法さらにはステロイド療法を試みたが死亡した.剖検では心拡大と心腔内壁在血栓を認め,心筋病理組織所見では,心筋細胞の融解壊死,間質の浮腫と線維化を認めた.この心電図所見や血行動態およびDICの合併はこれまでの報告にないものであり,極めてまれな1例と考えられた.またこのように種々の心不全療法に反応しない症例に対しては,より早期のステロイド療法や補助人工心臓の積極的導入を考える必要があると思われた.
  • 吉村 昌佳, 岩坂 壽二, 斧山 英毅, 杉浦 哲朗, 稲田 満夫
    1988 年 77 巻 3 号 p. 364-369
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性心筋炎による重症心不全の経過中に,広範な虚血性腸炎を合併した1例を経験した.症例は62才の女性.先行した発熱,感冒様症状に続き,意識障害発作を認め入院した.心電図上2度~完全房室ブロックによる徐脈を認め,臨床上心筋炎と診断した.その後,併発する心不全に加え,腸管ガス貯留,粘血便を認めた.注腸造影にてthumb printing像,大腸ファイバーにて散在性潰瘍の所見を得た.開腹にて,下行結腸,回腸に狭窄を認め,病理組織学上,担鉄総胞が存在した.以上より,独窄型虚血性腸炎の合併と考えた.虚血性腸炎は,心血管障害を基礎疾患として有している事は多いが,小腸発生例は極めてまれであり,若干の文献的考察を併せて検討した.
  • 世古 義規, 富谷 智明, 黒尾 誠, 高野 清豪, 野島 美久, 寺井 千尋, 山田 明, 高久 史麿, 清水 輝夫, 井上 聖啓
    1988 年 77 巻 3 号 p. 370-374
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は17才,男性. 13才時,運動後に両側前腕の発赤,疼痛を伴う腫脹が出現,その後両側膝関節周囲の炎症が出現し,以後症状の消長を繰り返す. 15才時,四肢末端の知覚障害,四肢の運動後脱力症状が出現. 16才時,当科入院となる.末梢血に軽度の好酸球増加および血清lgEの高値を認めるも,その他の検査所見は正常であった.左前腕の筋生検にて治癒過程にある筋膜の炎症性変化が認められ, eosinophilic fasciitisと診断された.また神経には組織学的に異常所見を認めなかった.ステロイドホルモンを投与するも著効なく,免疫抑制薬にも一時的に反応するのみであった.末梢神経障害を伴う点とも併せて,貴重な症例と考え報告した.
  • 安部 行弘, 武田 光, 藤井 章伸, 原 郁夫, 山本 光利, 桑島 実, 斎藤 大治
    1988 年 77 巻 3 号 p. 375-380
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    多発性筋炎において,骨格筋病変に先んじて心筋病変の出現した例は少なく,現在までのところ内外を含めて3例の報告をみるのみである.症例は53才の女性で,骨格筋症状出現4年前に左軸偏位と心拡大がみられ, 2年前に接合部調律となり永久式ペースメーカーの植え込みを受けていた.その後拡張型心筋症様の病態を呈し,心不全にて死亡した.剖検では左室,刺激伝導系に広範な線維化を認め,残存する心筋細胞には空胞変性・壊死が見られた.また心筋・骨格筋に軽度のリンパ球を主とする円形細胞浸潤を認めた.また本例では心エコー,左室造影にて左室壁運動にasynergyを認めたが,多発性筋炎における心病変を観察する上で留意すべき点と考えられた.
  • 内藤 真礼生, 富永 毅彦, 芹沢 宏, 鈴木 洋通, 猿田 享男, 坂口 弘
    1988 年 77 巻 3 号 p. 381-388
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は35才,男性.昭和60年末より進行性の腎機能低下を伴うネフローゼ症候群を認めた.腎全検の光顕で,膜性腎症に加え巣状の糸球体硬化と半月体形成を,蛍光抗体法では, SLEを示唆する種々の免疫グロブリンと補体の沈着を認めた.腎生検後,プレドニゾロン投与にもかかわらず,昭和61年2月末より血小板減少症が出現し,免疫抑制薬を開始した. 4月初旬,ニューモシスティスカリニ肺炎を併発するも,ペンタミジンの投与で軽快した.本例は特異な腎所見を示した特発性膜性腎症あるいはSLEが疑われ,病因的にも治療の面からも示唆に富む症例と考えられた.さらに免疫抑制薬の投与に続発してカリニ肺炎を起したことも興味深い.
  • 松岡 雅人, 副島 正典, 由宇 宏貴, 花岡 陽一, 長谷 川治, 高杉 昌幸, 黒岩 昭夫
    1988 年 77 巻 3 号 p. 389-393
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は,生来健康な22才の男性.急激に発症した意識混濁と脱水のため某病院に入院し,糖尿病性ケトアシドーシス,急性腎不全と診断され,補液,インスリン投与下に当科に転院した.ミオグロビン尿と高Na血症を合併しており,糖尿病性ケトアシドーシスにrhabdomyolysisによるミオグロビン血症と急性腎不全を合併したものと診断,血漿交換,血液透析にて急性腎不全は治癒せしめたが,糖尿病性ケトアシドーシスは, rhabdomyolysis,急性腎不全をきたしやすい状態であり,その治療には充分な注意が必要である.
  • 青山 庄, 牧野 博, 寺田 康人, 高桜 英輔
    1988 年 77 巻 3 号 p. 394-398
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本態性血小板血症に脾梗塞の合併が加わり,高度の血小板増加を認めた1例を報告する.症例は, 48才,男性.主訴は,左背部痛.既往歴は,一過性脳虚血発作.入院時,血小板数は92.7×104/mm3と著しい増加を認め,末梢血および骨髄所見等より本態性血小板血症と診断.一方, CT scanと脾動脈造影では,軽度脾腫と脾動脈の上終動脈に閉塞を認め,脾の約75%領域の脾梗塞と考えた.第23病日には,血小板数は190×104/mm4と一段と増加したので, throm-bocytopheresisを施行し,血小板数の改善をみた.本態性血小板血症に脾動脈塞栓による脾梗塞を合併することはきわめてまれで,このような例にthrombocytopheresisが有効である可能性が推測された.
  • 大島 喜八, 高橋 京一, 馬原 充彦, 小内 亨, 岡田 秀一, 小林 節雄, 小林 功
    1988 年 77 巻 3 号 p. 399-403
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は28才.生後3カ月にクレチン症と診断され,舌根部甲状腺を有していた. TBG異常は無く,サイロキシン(l-T4)100μg/日の内服で甲状腺ホルモンレベルは正常に保たれ妊娠した.血中TSHは妊娠経過と共に上昇し, 26週には121μU/mlに達し, l-T4200μg/日への増量で正常値に向かい,満期正常分娩を迎えた.妊娠経過中,血中T3,フリーT3はやや低値を呈し, T4,フリーT4l-T4 200μg/日投与以降に高値を持続した.本症例を通じて,クレチン症妊娠時の甲状腺薬補充量決定の指標にはTSH値が最も有用と考えられた.現在までにクレチン症における妊娠中の甲状腺ホルモン値の経時的変動や治療の報告は少なく,貴重な症例と考え,報告した.
  • 宮城島 拓人, 石坂 富美雄, 平野 貞一, 黒川 美朝, 国枝 保幸, 髭 修平, 山崎 康夫, 藤本 望, 樋口 晶文
    1988 年 77 巻 3 号 p. 404-408
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は61才,女性.生来健康であったが,突然の発熱,全身倦怠感にて受診.尿路感染症および肝障害として入院したが,直後に血圧低下,意識障害が出現しshock状態に陥った.ほぼ同時期に肝,肺,皮膚,脳に多発性膿瘍を認め,また尿および皮膚化膿巣よりKlebsiella菌が検出され,同菌による敗血症に各臓器の転移性膿瘍が併発したものと考えられた.幸いにして適切な抗生物質と免疫グロブリン製薬物による保存的療法にて治癒しえたが,特に本例では下熱効果に対する免疫グロブリンの有用性が示唆された.
  • 富永 知子, 沖 隆, 田中 一成, 池田 幸宏, 坂本 益雄, 南野 正隆, 吉見 輝也
    1988 年 77 巻 3 号 p. 409-413
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腎奇形およびgrowth hormone(以下GH)分泌障害を伴ったKallmann症候群を報告する. 18才,男性.二次性徴遅延,低身長,肥満を主訴に入院.嗅覚低下,停留睾丸,右腎低形成,左重複腎盂重複尿管,慢性糸球体腎炎を伴っていた.内分泌検査上,血漿LH, FSH,テストステロンは低値で, clomiphene試験, LH-RH試験に対し, LH, FSHは無反応であったが, LH-RH連続負荷試験により反応性の改善が認められ,視床下部性性機能低下症の所見を呈していた. GHの基礎値も低値で,インスリン負荷およびアルギニン負荷に対し無反応であったが, GRF試験ではわずかな反応を認めた. Kallman症候群に合併したGH分泌障害,肥満に関し,視床下部障害に起因する可能性もあり,考察を加えた.
  • 太田 雄興, 黒田 康夫, 小田 健一郎, 柴崎 浩, 岸川 高
    1988 年 77 巻 3 号 p. 414-418
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    妊娠9週目に発症した脳静脈洞血栓症の1例を報告した.症例は26才女性で,主訴は頭痛,悪心嘔吐,複視,左下腿の腫脹であった.入院時発熱,左下腿血栓性静脈炎,うっ血乳頭,左上同名四半盲,左外転神経麻痺,項部硬直を認めた.頭部CTで右側頭後頭部に出血性梗塞像, digital subtraction angiography (DSA)で複数の脳静脈洞に狭小化と陰影欠損を認め,脳静脈洞血栓症と診断した.検査で血液凝固機能および血小板エピネフリン凝集能の亢進を認めた.人工流産,メシル酸ガベキセート(FOY)投与で著明に改善した.本症例は前回妊娠時にも3カ月目に血栓性静脈炎が発症しており,妊娠前期に血液凝固機能が亢進して静脈血栓が惹起されたまれな症例と考えられる.
  • 紀田 康雄, 澤田 徹, 成冨 博章, 栗山 良紘, 緒方 絢, 柏木 厚典, 繁田 幸男
    1988 年 77 巻 3 号 p. 419-424
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    クロイツフェルトヤコブ病(CJD)類似のミオクロヌス,周期性同期性発作波(PSD),進行性脳萎縮を認めた低血糖昏睡の1例を報告した.症例は69才男性で痙〓,意識障害を主訴に入院.来院時8mg/dlの著明な低血糖を呈し,血糖改善後も意識の改善はなく失外套症候群へと移行した.数年来睡眠薬による神経症状が先行しミオクロヌスやPSDを認め, CTで長期間進行する脳萎縮を認めた.経過がCJDと極めて類似しており生前CJDを否定する事が困難であったが,剖検により低血糖に伴う脳障害と診断された.低血糖昏睡例の臨床経過,脳波, CTを長期間経時的に観察した報告は少ない.本例はCJD類似の特異な経過をとっており興味ある症例と考え報告した.
  • 伊藤 公道, 山田 研一, 蓮沼 桂司, 椎名 達也, 江畑 稔樹, 菊野 薫, 吉田 勢津子, 田村 泰, 吉田 直
    1988 年 77 巻 3 号 p. 425-429
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    患者は35才の女性で,著明な高K血症を呈するが,腎機能,血清Naは正常で,時に高Cl性代謝性アシFドーシスを示した.尿酸性化能や尿濃縮能の障害は認められなかった.血漿レニン活性(PRA)は低値で,フロセミド立位負荷に反応し,血漿アルドステロン濃度(PAC)は高値で,フロセミド立位負荷, angiotensin II負荷およびACTH負荷に反応した.合成ミネラロコルチコイド(MC)である9α-fluorocortisoneの負荷に対し, fractional excretion of Na (FENa)はほぼ正常に反応したが,血清KやFEkの変化は抵抗性を示し,本症例は,塩類喪失を伴わないMC抵抗性高K血症(type II pseudohypoaldosteronism, type II PHA)の本邦第1例目と考えられた.
  • 大地 信彰, 奥田 誠也, 小林 和夫, 豊田 隆敏, 安藤 高志, 佐内 透, 小野山 薫, 藤島 正敏, 三村 和郎, 居石 克夫, 重 ...
    1988 年 77 巻 3 号 p. 430-435
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Wegener肉芽腫症(WG症)は,上気道,下気道の壊死性肉芽腫性炎を主体とする予後不良な全身性血管炎である.我々は強膜炎および急速進行性腎炎で発症し, 2年7カ月にわたる長期透析後に初めて肺病変が出現した興味ある臨床経過を示したWegener肉芽腫症の1例を経験した.剖検所見では,肺に空洞形成を伴う広範な壊死性血管炎をまた,腎には肉芽腫性糸球体腎炎,準月体形成性糸球体腎炎を含む多彩な腎病変を認めた。近年,本症のvarient formが報告されているが,本例は非典型な臨床経過を示したWG症の1例と考えられた.
  • 北村 聖, 湯尾 明, 前村 浩二, 松橋 信行, 浦部 晶夫, 高久 史麿
    1988 年 77 巻 3 号 p. 436-440
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特異な進展形式を示した孤立性骨形質細胞腫の1症例を経験した.症例は73才男,昭和60年12月より右大腿骨遠位部の疼痛が出現した.翌年6月X線写真で骨破壊像を認め,生検病理所見より孤立性骨形質細胞腫と診断された.局所の放射線療法(30Gy)で自覚症状の改善と,血清M蛋白の減少をみるも,同年9月下旬より貧血が進行し,精査の結果,骨髄中の形質細胞は5%以下にも拘らず,傍大動脈リンパ節,胃,小腸,膀胱に髄外性形質細胞腫を多数認めた.以後,化学療法にて加療,経過観察中である.本症例は孤立性骨形質細胞腫から多発性骨髄腫の形態をとらずに消化管等の髄外性形質細胞腫へと,極めてまれな進展形式をとった症例と考えられる.
  • 福武 尚重, 川嶋 成乃亮, 松本 敏昭, 梁 勝則, 三谷 頼永, 岩崎 忠昭
    1988 年 77 巻 3 号 p. 441-442
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例, 18才女性.四肢末梢のしびれ感を主訴に受診,高血圧(182/112mmHg),低K血症(2.8mEq/l),の精査目的にて入院.入院時血漿レニン活性低値(0.10ng/ml/h以下),血漿アルドステロン低値(30pg/ml以下),代謝性アルカローシスを認めた.著明な高血圧の家族歴を有し,母系に同様の検査所見を得た.下垂体副腎系等の内分泌器官は正常で, triamtereneにて降圧を見, spironolactoneは無効であった.以上よりLiddle症候群と診断した.
  • 伊神 修, 浜田 実, 青木 俊和, 清水 雄三, 安田 生樹, 服部 正大, 伊藤 信康, 田川 新生, 村田 左門
    1988 年 77 巻 3 号 p. 443-444
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    自他覚症状を全く欠く健康な54才の男性が健康診断において,血清コリンエステラーゼの測定不能な低値を指摘され,肝生検を含む入院精査を受けたが血清コリンエステラ-ゼ低値以外,何ら異常所見を示さず,その家族調査がなされた.その結果,血清コリンエステラーゼ欠損症遺伝子ESI1のホモ接合型,ヘテロ接合型それぞれ3名が発見され,この家系が血清コリンエステラ-ゼ欠損症家系である事が判明した.
  • 斉藤 伸一, 森 昌朋, 河村 修, 梅枝 愛郎, 黒沢 元博, 小林 節雄
    1988 年 77 巻 3 号 p. 445-446
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    喀痰(多量),呼吸困難を主訴とする54才男性が入院した.末梢血好酸球増加, PaO2低下,混合性肺機能障害,輪状網状陰影を示す胸部X線所見を認め,入院経過中突然死した.病理組織では全身諸臓器の中小動静脈に壊死性血管炎を伴う好酸球主体の肉芽腫形成が在り,肺には主として細気管支炎およびその周囲のfoamy cell集族が認められた.以上の所見よりdiffuse panbronchiolitisを伴うallergic granulomatous angitisと診断した.
  • 本山 隆章, 佐野 博久, 三木 哲雄, 鈴木 洋, 川口 慶三, 横田 慶之, 石川 雄一, 横山 光宏, 福崎 恒
    1988 年 77 巻 3 号 p. 447-448
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    規則的に血圧が午後より夜間にかけて上昇する原発性アルドステロン症患者において,内分泌および血行動態の日内変動を検討したところ,血圧の日内変動は, ACTH・アルドステロン系の体液量調節に基づく,心拍出量の変動によるものと考えられた.
  • 石原 圭子, 渋谷 恒文, 横田 英介, 岡村 孝, 仁保 喜之, 武井 実根雄
    1988 年 77 巻 3 号 p. 449-450
    発行日: 1988/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は56才,女性,多血症の精査のため入院. radioimmunoassay (RIA)法で血漿erythropoietin (Epo)値の上昇を認め,画像診断により右腎腫瘍の存在が判明,さらに右および左腎静脈血のEpo値は67.6および61.8mU/ml (N8~30)と差を認めた.右腎摘出術後血漿Epo値は正常化し多血症は改善.腫瘍抽出液のEpo濃度は50.8mU/gと高値であった.本例は血漿や腫瘍抽出液のEpo値をRIA法で正確に確認した初めてのEpo産生腫瘍である.
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