日本内科学会雑誌
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慢性関節リウマチの腎障害80症例の臨床病理学的検討
中野 正明小沢 哲夫西 慎一猪股 彰佐藤 浩和菊池 正俊荻野 宗次郎佐藤 健比呂鈴木 亨丸山 雄一郎深川 光俊荒川 正昭
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1989 年 78 巻 1 号 p. 21-29

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抄録

慢性関節リウマチ(RA)の腎障害を臨床病理学的に検討した.組織検索80例中,微小変化10例,メザンギウム増殖性糸球体腎炎21例(局所性変化7例,び漫性変化14例)は,血尿主体の尿異常を呈し,腎機能は良好であった.膜性腎症は8例で, 3例は特殊薬物の使用がなかった.アミロイドーシス合併は14例で,尿異常,腎機能低下が著明であった.膠原病重複は13例で,抗DNA抗体高値や低補体血症を高頻度に認めた.なお,螢光抗体法で,び漫性増殖性糸球体腎炎を中心に14例がIgA腎炎と診断され,また電顕的に糸球体基底膜のび漫性菲薄化を9例に認め,全例金療法歴を有していた. RAには多彩な腎病変が認められ,関節外症状として重要と思われた.

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