日本内科学会雑誌
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腎上昇を認めた胸部腎の1例
伊勢 拓之高畠 利一太田 博真服部 信
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1989 年 78 巻 5 号 p. 676-677

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抄録

症例は56才,男性.右下肺野の異常陰影から右胸部腎と診断された後, 5年間で1椎体,右腎の上昇を確認した.血管造影で両側腎動脈起始部の高さは正常で,右腎動脈は上方へ伸展されていたが,狭窄はなかった. MRIにて右腎上極を覆う膜様物が描出され,横隔膜を伴って腎が上昇していると考えられた.腎機能に異常はなかった.本例の腎上昇は,横隔膜の局所的な脆弱性と呼吸運動に起因する可能性が考えられる.

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