日本内科学会雑誌
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13.ヨードと甲状腺機能
石突 吉持
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1990 年 79 巻 7 号 p. 922-926

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抄録

ヨード摂取量の多寡は甲状腺疾患の発症,病態に影響を及ぼす.日本人のヨード摂取量は年代,地方により異なり,近年1mg/日以下例が多い. 2mg/日以上のヨードを海藻類から毎日摂り,甲状腺異常を見る例が甲状腺疾患の5%内にある.ヨード誘発は機能低下症,ヨード甲状腺腫が多く,機能亢進症はまれであるが,共にヨード中止後軽快する一過性機能異常である.ヨードは慢性甲状腺炎の進展に関与すると同時に,バセドウ病の機能増悪をも来たし治癒率低下をもたらす.食事指導上,摂取ヨード量は10mg/日内の,間歇摂取が望ましく,ヨード含有薬使用にも注意を与えるべきである.

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