日本内科学会雑誌
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10.肝硬変患者のfollow up
肝硬変から肝細胞癌へ
堺 隆弘岸川 由美子
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1991 年 80 巻 10 号 p. 1637-1644

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抄録

肝細胞癌は年毎に増加し,肝硬変の60%以上は肝細胞癌で死亡している.肝硬変の合併症対策の進歩により,予後が改善されていること,肝細胞癌の早期診断が進んでいることにもよる.進行した慢性肝炎を含めて肝硬変は常に肝細胞癌の合併を考慮して経過観察する必要がある.早期発見に超音波検査は最も有力であり, 3ヵ月毎の検査が望まれる. AFP, PIVKA II等の腫瘍マーカーは補助診断に必要であり,肝細胞癌が疑われる例ではさらにCT, MRI,血管造影,腫瘍生検等が行われる.

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