日本内科学会雑誌
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3. MRSA腸炎
石山 賢渡邊 千之宇都宮 勝之
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1992 年 81 巻 10 号 p. 1629-1634

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抄録
手術後の執拗かつ重症な下痢とMRSAとの関連が, MRSA腸炎といわれ話題となっている. 450例の消化器手術後の患者のうち, 127例(28.2%)が下痢症状を示した.その多くは蠕動促進薬などの諸薬物,造影剤,経腸栄養薬などによる一過性の下痢であり,抗生物質が誘導する菌交代性の細菌性下痢と考えられる症例は約10%前後であった.術後の予防投与抗生物質,院内感染などに意をつくした結果,こうした細菌性下痢の中でMRSAの検出された例は僅か3例であった.
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