日本内科学会雑誌
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5.大腸ポリープ:放射線の立場から
杉野 吉則今井 裕
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1992 年 81 巻 5 号 p. 627-631

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抄録

大腸の集団検診の中にX線を有意義に組入れるには,現在一般に行われているような注腸X線検査を行っていたのでは不十分で, X線の診断能をもっと向上させなければならない.それには,まず,大腸の微細な病変を忠実にX線写真に写し,それと肉眼標本を対比させることによって,診断医の目を養うこと,つぎに,微細病変の写せるようなよいX線装置を使用し,盲点なく微細所見も拾い上げられるようなX線検査法を行うことである.大腸隆起性病変の診断については,これまで臨床で主として扱われていた有茎性や無茎性の隆起性病変よりも,発見するのが難しい表面型病変のほうが癌の比率が高く,さらに小さなものでも粘膜下層以下へ浸潤していることが多いことがわかってきた.そして,このような表面型の小さな病変を的確に発見し,診断することがこれからのX線の課題と考ええられる.

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