日本内科学会雑誌
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著明な低酸素血症を呈した肝硬変症の1例
機序に関する呼吸生理学的検討
古谷 由紀子小倉 滋明吉岡 文秋山 也寸史鈴木 潤一西村 正治阿部 庄作川上 義和
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1992 年 81 巻 5 号 p. 728-729

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抄録

症例は48歳,男性.肝硬変に伴う低酸素血症の精査のため入院.室内気吸入時52TorrのPaO2は軽労作で33Torrへと低下した.しかし,純酸素吸入時PaO2 548Torrで生理学的シャント率は8%と解剖学的右左シャントは否定的であった.一方, 99mTc-MAAによる肝血流シンチで約30%の右左シャントを認め,低酸素血症の原因として肝小動静脈シャントではなく肺毛細血管拡張が推定され,在宅酸素療法を適用した.

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