日本内科学会雑誌
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4.外科手術後
石山 賢渡邉 千之
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1994 年 83 巻 7 号 p. 1123-1127

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抄録

外科的感染症においては,起因菌と宿主との間に感染の発症ないし悪化を促進する宿主側の悪条件が第三の因子として存在する.それは,上皮の欠損(創傷の存在),異物の介在,常在菌叢と巣の連結など局所の条件と免疫能の低下,代謝栄養障害,創傷治癒障害といったいわゆる全身状態の悪化とからなる.従ってその予防や治療にはこれらの状況に対する配慮や治療,補正処置が必須である.これに意を用いない治療では,優れた薬物が効力を十分に発揮しないばかりか,常在菌の生態系が乱れて耐性菌が出現したり,やたらに病像が複雑,難治になるぼかりである.高齢者,肝機能障害を有する患者その他riskの高い手術症例が増え続ける今日,外科的治療は基本的な考えに戻るべきであろう.

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