1995 年 84 巻 10 号 p. 1673-1677
長期透析患者ではβ2-mを原蛋白とするアミロイドーシスが高率に合併し,関節症や手根管症候群,骨障害などを発生する.アミロイドーシスの発症機序はなお不明であるが, β2-mがアミロイドの前駆蛋白であることから, β2-mを効率的に除去することに多くの関心がもたれ, high-flux膜ダイアライザーやβ2-m吸着カラムの治療が検討されている.一方,副腎皮質ステロイド薬の少量使用が関節症には極めて有効であるが,長期にわたる治療ではその副作用が危惧されるので適切な使用が望まれる.