日本内科学会雑誌
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4.心血管系合併症
田部井 薫浅野 泰
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1995 年 84 巻 10 号 p. 1678-1684

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抄録
透析患者は動脈硬化のモデルといっても過言でないほど,動脈硬化促進因子を内在している.高血圧,糖・脂質代謝異常, Ca・P代謝異常などの一般的な悪化因子に加え,透析療法自体,つまり透析後のアセテート,透析膜との生体適合性,抗凝固薬として使用されるヘパリンなども動脈硬化を促進する.動脈硬化の存在に加え,高血圧の存在,長期透析合併症としての二次性副甲状腺機能充進症, β2-microglobulin沈着, Al沈着などによる心筋障害の助長は,うっ血性心不全,不整脈,伝導障害,冠動脈疾患,心外膜炎,脳血管障害,末梢動脈閉塞などさまざまな心血管系合併症を引き起こす.
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