1995 年 84 巻 10 号 p. 1739-1741
後天性第VIII因子インヒビターの1例を報告する.症例は35歳女性.感冒症状に対し抗生物質投与後に下腿の紫斑が出現し,出血,凝固時間は正常であったが, APTTが50.1秒と著明に延長.第VIII因子活性6%,第VIII因子抗原195%,第VIII因子インヒビターは2 Bethesda U/ml.ウエスタンブロット法により患者血清中に抗第VIII因子抗体の存在を確認した.プレドニソロン投与によりAPTTは正常化し,インヒビターも消失した.