1997 年 86 巻 2 号 p. 271-275
Catheter interventionの発達にともなって冠動脈バイパス手術の適応となる症例の多くは重症多枝病変を有する高齢者となった.しかし,対象例の重症化にもかかわらず,長期開存性に優れた動脈グラフトを用いる手術手技の向上,常温手術や心筋保護法の進歩などにより, qualityの高い手術が安全に行われている. catheter interventionの利点を充分に活かしつつも,過度に適応を拡大することなく,バイパス手術の安全性と有効性をよく理解して,時期を失せず手術適応を判断することが重要である.