日本内科学会雑誌
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潰瘍性大腸炎,強直性脊椎炎に大動脈炎と重症大動脈弁閉鎖不全を合併した稀な一例
金谷 誠司徳田 圭亮田中 政史平野 浩二古賀 義則今泉 勉鈴木 重光青柳 成明加藤 誠也古賀 章正鯵坂 英彦
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1998 年 87 巻 11 号 p. 2316-2318

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抄録

症例は26歳男性.強直性脊椎炎,潰瘍性大腸炎にて近医加療中であったが, 1カ月前より心不全を来たし入院した.心エコー図で,大動脈弁閉鎖不全症および著明な左室拡張と収縮不全を認め,カテコラミンなどの内科的加療を施行したが,心不全コントロールが困難であり,緊急大動脈弁置換術を施行し救命し得た.本症例は,術前の画像診断で上行大動脈の著明な拡張と大動脈壁の肥厚が見られた.大動脈の組織所見では,中膜,内膜の線維化,炎症細胞の浸潤,弾性線維の崩壊などを認め,大動脈弁閉鎖不全の原因として,強直性脊椎炎に合併した大動脈炎が考えられた.

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