1998 年 87 巻 4 号 p. 629-636
血管炎性ニューロパチーは血管炎症候群の中で中・小型血管を傷害する結節性多発動脈炎(PN)や慢性関節リウマチ(RA)などに伴うことが多い.臨床像は多発性単ニューロパチーで四肢の非対称的な運動感覚障害であり,末梢神経伝導検査では活動電位の振幅の低下や消失を認める.病理所見は軸索変性を主体とし,虚血性変化と考えられている.近年抗好中球細胞質抗体(ANCA)の発見や免疫学的研究の進歩などにより血管炎についての新知見が得られ,それに伴って血管炎性ニューロパチーについても見直しの時期に来ている.