日本内科学会雑誌
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大腸潰瘍を合併した便培養陽性Vibrio vulnificus敗血症の1救命例
竹平 安則北川 陸生玉腰 勝敏山田 正美中村 俊文川村 欣也平沢 弘毅高木 正博岩岡 泰志住吉 信一室久 敏三郎
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キーワード: 敗血症, 大腸潰瘍
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1998 年 87 巻 4 号 p. 738-740

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抄録

症例は56歳,男性.刺身摂取後,腹痛・発熱・下痢を呈しショック状態となった.便・血液培養にてVibrio vulnificus (以後V. vul.と略す)が検出され,同菌による敗血症と考えられた.後日施行した大腸内視鏡で,上行結腸潰瘍と回腸末端・回盲部の浮腫を認めた.症状は早期の抗生物質投与で改善した. V. vul.感染症で,大腸潰瘍の確認例の報告はこれまでなく,また原発性敗血症型は便培養陽性例は希であり,救命し得た例が少ないことから,留意すべきと考え報告した.

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