日本内科学会雑誌
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4.溶血性貧血
4)発作性夜間ヘモグロビン尿症
七島 勉丸山 幸夫
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1999 年 88 巻 6 号 p. 1022-1028

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抄録
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の病態解明は長足の進歩を遂げ,分子および遺伝子レベルで豊富なデータが集積されている.単に病態解明にとどまることなく, PNHの診断方法にも大きな影響を与え,現在PNHの診断は従来のHam試験や砂糖水試験に代わり,フローサイトメトリー法が主流となりつつある.また,フローサイトメトリー法によるPNHの早期診断は赤血球においてGPI結合蛋白欠損のない病態までとらえることが可能となり,後天性溶血性貧血というPNHの定義にまで影響が及びつつある.一方, PNHの治療はGPI結合蛋白欠損と骨髄機能不全という両面に対する治療を要するが,現時点では便宜的な治療が主流をなしている.
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