日本内科学会雑誌
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1.カルシウム代謝調節因子:最近の進歩
2)副甲状腺ホルモン関連蛋白とその作用
大津留 晶山下 俊一
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1999 年 88 巻 7 号 p. 1271-1276

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抄録

副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)は,悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症の原因物質として発見された. PTHrPのN端は副甲状腺ホルモン(PTH)と高い相同性を有し,いずれも共通のPTH/PTHrP受容体に結合し,作用を発揮する.しかし,副甲状腺より分泌され,血中カルシウムレベルを調節するホルモンであるPTHに対し, PTHrPはあらゆる臓器の様々な細胞より,時に応じて分泌され,生理的には主にパラクライン・オートクライン的に作用している.事実その受容体は全身に幅広く分布している.このためPTHrPの生理作用は不明な点が数多くあったが,発生工学的手法などの発展に伴い骨・軟骨系の新知見を始め,その機能の実態が徐々に明らかにされつつある.

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