日本内科学会雑誌
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狭心症様症状を初発症状とした原発性肝細胞癌による右房内腔閉塞の1例
伊藤 信吾坂田 隆夫井上 博和並木 温中村 正人鈴木 真事杉 薫平井 寛則山口 徹田中 洋一
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2000 年 89 巻 2 号 p. 338-340

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抄録

症例は58歳,男性.約2年前より労作時の胸部圧迫感が出現.徐々に症状が頻回となり,入院した.心電図では虚血性変化は認めなかった.心エコー図上,左室壁運動異常はなく,右房内に可動性のある腫瘍像を認めた. CT, DSAでは,肝の多発性腫瘍が下大静脈を経て,右房へと連続性に進展していた.冠動脈造影では有意の狭窄を認めず,今回認められた狭心症様症状は,原発性肝細胞癌の右房内腔閉塞によるものと考えられた.

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