MRIの最近の進歩において,臨床的有用性が高いものに,拡散強調画像(DWI, diffusion weighted image)がある.実験的脳梗塞例においては,脳梗塞作成後1時間以内に,拡散強調画像において異常を捕らえることが出来ている.高速撮像法の一つであるエコープラナー法が,臨床MRI装置に装備されるようになり,拡散強調画像を容易に撮像出来るようになってきている.急性期の脳梗塞の診断に,拡散強調画像は有用で,最近行われている血栓溶解療法の適応を判断する上での重要な情報を与える.
拡散強調画像は,主に脳梗塞に対し用いられることが多いが,その他の臨床的に有用な面としては,浮腫の鑑別,膿瘍と腫瘍との鑑別,くも膜嚢胞と類上皮腫との鑑別などがある.
脳血流の状態をMRIで,観察する方法に灌流画像がある.拡散強調画像と組み合わせることにより有用な情報を与えるとされている
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