2004 年 93 巻 1 号 p. 101-107
膵疾患に対する内視鏡治療として,膵石,膵管狭窄,膵仮性嚢胞をとりあげた.膵石治療では体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)の有用性が認識され,治療法の中心となっている.しかし,内視鏡併用が必要となる症例は多く,併用による治療効果の向上も期待できる.膵管狭窄に対するステント治療は適応の選択が重要である.また,ステントの材形,留置期間,長期予後など,今後検討が必要な問題も少なくない.膵仮性嚢胞に対しては,超音波内視鏡を応用した消化管との内瘻化が新しい治療法である.