2004 年 93 巻 2 号 p. 256-262
急性冠症候群,なかでも急性心筋梗塞においては,発症直後より壁運動異常が確実に出現するため,早期診断の上で断層心エコー法はきわめて有用である.心筋梗塞にともなう合併症を診断する上でも,心エコードプラー法はこれらを容易に診断しその経過を追うことができる.負荷エコー法は心筋虚血および心筋バイアビリティの診断に,冠動脈ドプラー法は冠動脈狭窄の診断に,さらに心筋コントラストエコー法は潅流欠損の診断にすぐれ,急性冠症候群の診療における心エコー法の重要性は増している.