日本内科学会雑誌
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93 巻 , 2 号
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  • 高野 昭夫
    2004 年 93 巻 2 号 p. 207-208
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 水野 杏一
    2004 年 93 巻 2 号 p. 209-214
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性冠症候群とは主として不安定プラークの崩壊とそれに伴う血栓形成により急激に臨症症状を呈する新しい疾患グループである.急性冠症候群は急性心筋梗塞,不安定狭心症,虚血性心臓突然死が合まれるが,最近では,治療に重きをおき, ST上昇心筋梗塞,非ST上昇急性冠症候群(非ST上昇心筋梗塞,不安定狭心症)に分かれている.病因として,最近炎症の関与が注目され,プラークの不安定化は冠動脈全体に及んでいる.
  • 江原 省一, 吉川 純一, 上田 真喜子
    2004 年 93 巻 2 号 p. 215-220
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ヒト冠動脈プラークの発生・進展,および不安定化の機序として,内皮細胞の機能障害/傷害,マクロファージ・Tリンパ球・好中球などの炎症細胞のプラーク内集積などが重要視されている.その中心的促進因子として酸化LDLが注目されており,近年実験室レベルから,生体内での動態まで解析されつつある.さらに最近では,急性心筋梗塞の責任病変から得られた血栓の免疫組織化学的解析により,ヒトの生体内での血栓形成過程が解明されつつある.
  • 平山 篤志, 上田 恭敬, 児玉 和久
    2004 年 93 巻 2 号 p. 221-226
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性冠症候群は,冠動脈疾患の予後を決定する最大の原因で,冠動脈内のプラークの破綻とそれに続く血栓形成により冠動脈内の閉塞・狭窄が生じ,心筋壊死・虚血が惹起される疾患である.これまでの大規模試験から,血栓の主体となるのは血小板血栓であるが,その形成にはプラーク内の組織因子の関与が示唆されている.また,原因となる不安定プラークも,血管内視鏡をはじめとするイメージング技術の向上により明らかにされ,不安定化の原因として炎症反応の重要性が示唆されている.
  • 佐藤 文敏, 上嶋 健治
    2004 年 93 巻 2 号 p. 227-233
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性冠症候群は,冠動脈内粥腫破綻と血栓形成により,冠動脈血流が減少ないし途絶して引き起こされる疾患,すなわち不安定狭心症,急性心筋梗塞症,虚血性心臓突然死を総称している.重症度を含めた病態の評価と冠動脈内ステント留置術などの侵襲的治療をはじめとする的確な治療により,予後は改善されつつある.しかし,合併症も含めた早期診断のためには,詳細な病歴と自覚症状の聴取および身体所見の把握が不可欠である.
  • 土橋 和文, 長谷 守, 島本 和明
    2004 年 93 巻 2 号 p. 234-240
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症候と心電図所見は冠動脈疾患も簡便かつ基本となる診療情報である.急性冠症候群の診断・危険度評価・治療法の選択・予後の判定において重要な役割を果す,非発作・発作時および負荷心電図について冠動脈疾患診療ガイドラインを基に記載,診断上の限界とその対策について自験例を交え概説した.今後,該当患者の高齢化・糖尿病合併症例の増加により,心電図に加え新たな非侵襲的な冠動脈疾患の診断体系が必要となる.
  • 清野 精彦, 高野 照夫
    2004 年 93 巻 2 号 p. 241-248
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性冠症候群でも, ST上昇型梗塞では完全閉塞型赤色血栓を形成し貫壁性梗塞に進展するのに対して,非ST上昇型の場合には不完全閉塞型白色血栓を形成し,破砕プラーク由来の微小塞栓により非ST上昇型梗塞を発症する.心筋生化学マーカーは,細胞質マーカー(CKMB, Mb, H-FABP),筋原線維マーカー(トローポニンT, I),心筋ストレスマーカー(BNP, NT-proBNP)に分類される.各マーカーが検出する急性冠症候群の病態に応じたmultimarker strategyを提示したい.
  • 本江 純子
    2004 年 93 巻 2 号 p. 249-255
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血管内超音波法により,急性冠症候群症例においては(1)個々の症例における病態の把握・発症機転の理解(血管リモデリング・プラーク破綻と血栓・冠攣縮の関与など), (2)適切な冠動脈インターベンション治療手技の選択(末梢保護デバイス併用の決定)・サイズ選択, (3)破綻しやすいプラークの評価と薬物治療の選択などが可能となっている.こうした情報を各症例にフィードバックし,最適な治療法の選択による予後の改善が望まれる.
  • 小柳 左門
    2004 年 93 巻 2 号 p. 256-262
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性冠症候群,なかでも急性心筋梗塞においては,発症直後より壁運動異常が確実に出現するため,早期診断の上で断層心エコー法はきわめて有用である.心筋梗塞にともなう合併症を診断する上でも,心エコードプラー法はこれらを容易に診断しその経過を追うことができる.負荷エコー法は心筋虚血および心筋バイアビリティの診断に,冠動脈ドプラー法は冠動脈狭窄の診断に,さらに心筋コントラストエコー法は潅流欠損の診断にすぐれ,急性冠症候群の診療における心エコー法の重要性は増している.
  • 中村 正人
    2004 年 93 巻 2 号 p. 263-270
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性冠症候群の治療戦略は,心電図で持続的ST上昇の有無により, ST上昇急性冠症候群,非ST上昇急性冠症候群の2つに大別される. ST上昇急性冠症候群は,再灌流を得ることが治療の主眼であり,手段としては血栓溶解療法と冠動脈形成術(PCI)がある.再灌流療法の効果は発症してから実施までの時間と反比例し,経過とともに効果は減弱するため,迅速かつ確実な再灌流を得ることが重要である.非ST上昇急性冠症候群の治療戦略は,リスク評価によって異なり,病歴,理学的所見,心電図変化,生化学的所見の4項目からなる3段階の短期リスク分類に基づき決定される.高リスク例は,緊急での侵襲的治療を要する可能性があり,緊急でPCIが可能な施設に入院,転院させることが基本である.この場合の治療戦略には早期侵襲的治療戦略と保存的治療戦略がある.その優劣については明らかでなかったが,ステント時代に行われた多施設比較検討試験の結果を受けて早期侵襲的治療の適応が拡大されつつある.
  • 木村 一雄, 小菅 雅美
    2004 年 93 巻 2 号 p. 271-278
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    不安定狭心症は発症早期に心事故(死亡や急性心筋梗塞症)が生じる危険性の高い救急疾患である.このため早期に診断,リスクの層別化を行いこれに準じて治療することが重要である.粥腫の破綻と血栓形成という不安定狭心症の主たる発症機序が明らかになった現在においても薬物治療はこの疾病の第一選択であり,抗虚血薬と抗血小板・凝固薬を病態に応じて使用することになる.一方,薬物治療抵抗性を示す例も少なからず見られ,時期を逸せずカテーテルインターベンションや冠動脈バイパス術を施行することも重要である.
  • 田村 俊寛, 木村 剛
    2004 年 93 巻 2 号 p. 279-286
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性冠症候群(acute coronary syndrome: ACS)は不安定狭心症や急性心筋梗塞(acute myocardial infarction: AMI),虚血性心疾患による突然死の総称でこれらは冠動脈粥腫(プラーク)の破綻とそれにより生じる血栓形成により冠動脈内腔の狭窄または閉塞が生じることにより引き起こされると考えられている.急性冠症候群に対しては早期の診断に引き続き速やかな治療が必要とされており,近年わが国では急性冠症候群に対して積極的にカテーテルインターベンションが行われている.本稿では最近の急性冠症候群に対するカテーテルインターベンション及び今後の展望について概説する.
  • 相原 恒一郎, 代田 浩之
    2004 年 93 巻 2 号 p. 287-294
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性冠症候群は,冠動脈内のプラークの破綻やびらんによる急性血栓性閉塞によって発症する.その発症リスクは冠疾患既往歴を持つ症例に高い.急性心筋梗塞の50%は冠疾患既往歴を有すると言われ,二次予防が重要である.その対策は,非薬物療法(食事療法,運動療法,禁煙や心臓カウンセリング)と薬物療法(抗血小板薬, β遮断薬, ACE阻害薬,スタチンなど)があり,難治性心室性不整脈は,植え込み型除細運器の適応となる.
  • 伊東 博史, 濱野 公一
    2004 年 93 巻 2 号 p. 295-299
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性冠症候群(ACS)に対する治療方針としては,その責任病変に対する血行再建を早期に行うことにより虚血の改善,心筋細胞の温存により急性心筋梗塞への進展を予防することにある.近年はPCIが第一選択とされその適応も拡大されてきているが,急性期にPCIを行うことが困難な症例などには冠動脈バイパス手術(CABG)を行われることになる.急性期の循環動態が保たれている症例では, CABGの手術成績は良好だが,血行動態の不安定な症例の手術成績は依然として不良である. ACSに対してPCIを選択するかCABGを選択するは十分な術前状態の把握と検討が必要である.
  • 長尾 建, 林 成之, 上松瀬 勝男
    2004 年 93 巻 2 号 p. 300-305
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    2000年AHA/ILCORからEBMに基づく世界共通の心肺蘇生と救急心血管治療のガイドライン2000が報告された.このうち,成人の院外心肺停止患者の生還を可能にする最も重要な救急医療体制は, chain of survivalの円滑な連動であるとした.本稿ではそのトピックス(心臓マッサージのみCPR, AED)と, 2000年以降のEBM(低体温療法)について概説した.院外心肺停止の50%以上は心原性でその2/3は虚血性である.今後この対策を講じることが急務と考えている.
  • 佐藤 裕一, 井上 文央, 松本 直也, 上松瀬 勝男, 高橋 元一郎, 長尾 建
    2004 年 93 巻 2 号 p. 306-314
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年高い空間解像度を有するマルチスライスCT (MSCT)の登場によって,冠動脈病変の非観血的視覚化が可能となり,冠動脈狭窄または閉塞の診断のみならず,冠動脈プラークの検出,およびその性状評価にも応用されている.本稿では急性冠症候群(ACS)におけるMSCTの有用性について自験例を中心に述べるとともに, ACSにおける冠動脈プラークの特徴について言及したい.
  • 上妻 謙
    2004 年 93 巻 2 号 p. 315-320
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性冠症候群には不安定狭心症,急性心筋梗塞,心臓突然死があり,冠動脈粥腫破綻と血栓形成を基盤として発症する冠動脈の狭窄あるいは閉塞による致死的な心臓病である.したがって急性冠症候群に対しては,可及的早期に冠動脈の狭窄や血栓をコントロールする治療,特に再灌流療法と抗血小板療法を必要とする.急性冠症候群に対する治療をここでは主として冠動脈インターベンション(PCI)に関する新しい道具に絞って述べたい.
  • 高野 博之, 小室 一成
    2004 年 93 巻 2 号 p. 321-326
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    これまで心筋細胞は最終分化した細胞であるため生後は分裂増殖しないものと考えられていた.しかし最近になり,この概念はくつがえされた.ヒトの心筋梗塞後の心臓において分裂増殖している心筋細胞の存在が報告された.またマウスの心筋梗塞領域に骨髄幹細胞を移植した結果,心筋細胞や紐管内皮細胞,血管平滑筋細胞に分化し心筋を再生することが報告された.これらの研究結果は心筋再生に寄与するメカニズムが生体内に存在している可能性を示唆している.
  • 牧野 寛史, 荻原 俊男, 森下 竜一
    2004 年 93 巻 2 号 p. 327-333
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血管新生は,既存血管から内皮細胞が増殖,遊走する狭義の血管新生と,血管内皮前駆細胞から新たに血管に分化する血管形成に分けられる.成体においても循環血中に血管内皮前駆細胞が存在し,血管形成とそれに続く血管新生の両方が起こる.治療アプローチとして,増殖因子をコードした遺伝子を導入して血管新生を刺激する遺伝子治療,そして前駆細胞や幹細胞を移植して血管形成を誘導する細胞治療が考えられ,実践されている.
  • 宮城 順子, 一宮 理子, 尾崎 敬治, 後藤 哲也, 藤野 修, 長田 淳一, 日浅 芳一
    2004 年 93 巻 2 号 p. 364-366
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は57歳,男性.下痢と血小板減少にて当科へ紹介入院.末梢血は好酸球増多があり, DICを合併していた.翌日,左腸骨静脈血栓症を認め抗凝固療法を施行したが,入院7日目には肺塞栓を併発した.メチルプレドニソロン(mPSL),トシル酸スプラタスト(suplatast)併用下にステロイドの漸減を行い,軽快退院した.好酸球増多に伴う深部血管の血栓症は比較的稀であるが重要な合併症と考えられた.
  • 森 奈美, 森本 紳一郎, 平光 伸也, 植村 晃久, 大槻 真嗣, 加藤 茂, 加藤 靖周, 杉浦 厚司, 宮城島 賢二, 久保 奈津子, ...
    2004 年 93 巻 2 号 p. 367-369
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は47歳男性.胸背部痛を主訴に受診し,心電図にてST上昇と心エコーでびまん性の壁運動低下が認められ,第7病日の心筋生検で好酸球性心筋炎であることが確認された.入院時には末梢血で好酸球数は正常範囲内で,第7病日に好酸球増加が観察された.今回,末梢血の好酸球数が心症状発現に遅れて増加した好酸球性心筋炎を経験したので報告した.
  • 岩田 実, 山本 由紀, 藤田 聡, 林 龍二, 五十嵐 保史, 佐藤 啓, 笹岡 利安, 丸山 宗治, 小林 正, 松井 一裕
    2004 年 93 巻 2 号 p. 370-372
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は63歳,女性.胸部多発結節影の精査にて2002年1月に当科入院.身体所見,検査所見より異所性ACTH産生Cushing症候群と診断.肺腫瘍のある部位から採取した気管支肺胞洗浄液(BALF)中のACTH濃度は高値で,後日施行された肺生検にて, ACTH陽性の非定型気管支カルチノイドと診断. ACTH産生気管支カルチノイドの診断に, BALF中のACTH濃度測定が有用であることが示唆された.
  • 山口 康平, 堤 厚之, 南野 淳吏, 藤澤 和夫, 堺 弘治
    2004 年 93 巻 2 号 p. 373-376
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    インスリノーマの局在診断においてASVS (カルシウム動注後肝静脈採血法)が極めて有用であった3症例について報告する(症例1, 2, 3: 31歳男, 39歳女, 31歳男).いずれの例も低血糖発作があり,絶食試験が陽性であったが,腹部CTにて膵腫瘍は発見できなかった.各例でASVSにてIRIの反応が最大であったのは症例1で背膵動脈(14.0→97.2μU/mlへと上昇),症例2で脾動脈近位部(15.7→97.8μU/m1へと上昇),症例3で上腸間膜動脈膵頭部近傍(11.9→79.2μU/mlへと上昇)であった.これらの結果を参考にして,症例1では腹腔動脈より造影検査を行い膵鈎部に腫瘍を証明,症例2ではthin slice CTで膵尾部に腫瘍を証明,症例3では腹部エコー検査にて膵頭部の鈎部寄りに腫瘍を証明した.手術による腫瘍の局在とASVSの結果は3症例で一致していた.
  • 吉留 嘉人, 林 茂昭, 岡留 格, 丸山 芳一, 西垂水 和隆
    2004 年 93 巻 2 号 p. 377-379
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例1は41歳,女性.主訴は両手足のむくみと関節痛.家族歴として娘の学校で伝染性紅斑が流行.ヒトパルボウイルスB19IgM抗体が陽性.非ステロイド性抗炎症剤の投与により,約2週間後にはむくみや関節痛は改善した.ヒトパルボウイルスB19は小児の伝染性紅斑の原因として知られているが,成人では急性の関節症状を呈することがある.稀に関節症状は慢性化する.ヒトパルボウイルスB19関節症の8例について報告する.
  • 浦松 正, 古巣 朗, 島峯 良輔, 村谷 良昭, 宮崎 正信, 田口 尚, 河野 茂
    2004 年 93 巻 2 号 p. 380-382
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は25歳,男性.作業中に指をスズメ蜂に刺され,両前腕部までの腫脹疼痛出現.翌日,腫脹疼痛は軽快したが,両下肢の浮腫が出現しネフローゼ症候群を呈していた.腎生検を行い微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)と診断され,ステロイド療法により完全緩解を認めた.本症例は蜂刺症によりネフローゼ症候群を発症した興味深い症例と考えられた.
  • 三嶋 理晃
    2004 年 93 巻 2 号 p. 383-389
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    COPDの病態形成の第1段階として吸入性傷害物質により肺の炎症が惹起されることが必要である.この炎症の惹起には様々な宿主の要因が関与している.最近では幼少時におけるアデノウイルスの感染が潜伏化し,肺の吸入傷害物質に対する感受性を亢進すると言われている.この炎症からCOPDの病変形成に至るには,プロテアーゼ・アンチプロテアーゼの不均衡による,肺の基本構築物質としてのコラーゲン・エラスチンの融解が必要である.また,オキシダント・アンチオキシダントの不均衡によって,蛋白変性・DNAの断裂が生じることも大きな役割を演じていると考えられる.さらに,炎症によって最終的なCOPDの病変を形成するには,「計画的な細胞死」:アポトーシスが重要な位置を占めているとされる.以上, COPDの病態形成には多くの要因が複雑に絡み合っている.
  • 西本 憲弘
    2004 年 93 巻 2 号 p. 390-396
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    多発性骨髄腫やCastleman病などの難治性血液疾患の病態におけるinterleukin-6 (IL-6)の役割が明らかになり, IL-6を標的とする抗サイトカイン療法がこれらの疾患の治療法として考案された.中でも,ヒトでの抗原性を減らしたヒト化抗IL-6受容体抗体は,反復使用を行っても中和抗体が出現しにくく,血中半減期がヒトのIgGとほぼ同等近くまで延長した.効果においても,随伴する症状が著明に改善し, QOLを高めた.現在,本邦のみならず,海外においても,実用化に向けて臨床試験が行われている.
  • 中村 常哉, 横井 太紀雄, 中村 栄男
    2004 年 93 巻 2 号 p. 397-403
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    MALTリンパ腫に特徴的な遺伝子異常はt (11; 18) (q21; q21)転座である.この転座の結果, 11q21上に存在するアポトーシス抑制遺伝子API2と18q21上に存在するMALTI遺伝子とが融合遺伝子(API2-MALT1)を形成する. API2-MALT1陽性の胃MALTリンパ腫はH. pylori除菌に反応しない.またAPI2-MALTI陽性のMALTリンパ腫は基本的にはそれ以上の遺伝子異常は蓄積せず, diffuse large cell lym-phomaへ移行することはないと考えられている.胃MALTリンパ腫の病態は,除菌に反応するAPI2-MALTI陰性の群(A群),除菌に反応しないAPI2-MALT1陰性の群(B群),除菌に反応しないAPI2-MALT1陽性の群(C群)の3群に分類される.除菌の適応であるA群は全例H. pylori陽性,深達度は多くはmあるいはsm,臨床病期はI期,肉眼型が表層型のものである。今後各群の病態に応じた治療法が考慮されることになるであろう.
  • 飯塚 高浩, 坂井 文彦
    2004 年 93 巻 2 号 p. 404-411
    発行日: 2004/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    選択的5HT1B/1D受容体作動薬(トリプタン)の出現により,片頭痛の急性期治療は飛躍的に進歩し,片頭痛の支障度を考慮に入れたstratified-care strategyが論じられるようになった.中枢神経系の興奮性の亢進,三叉神経血管系の活性化,疼痛シグナルの中枢性伝達機構の3つが片頭痛における最も重要な病態であると考えられており,前兆はもはや虚血ではなく,片頭痛発作も脳由来と考えられるようになった.片頭痛の中枢性発生源は脳幹上部にあり,同部の神経細胞の興奮により三叉神経血管系が活性化し,硬膜あるいは髄膜の血管周囲に分布する三叉神経終末からCGRPなどの神経ペプチドが放出され,神経性炎症と血管拡張を生じる.疼痛刺激が血管周囲に分布する三叉神経求心線維を介して三叉神経尾側核を経油して,大脳皮質へ伝えられる.
    現在,トリプタンを超える新しい治療薬が開発中であり,選択的CGRP拮抗薬やアデノシンA1受容体作動薬が注目されている.
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