2004 年 93 巻 2 号 p. 390-396
多発性骨髄腫やCastleman病などの難治性血液疾患の病態におけるinterleukin-6 (IL-6)の役割が明らかになり, IL-6を標的とする抗サイトカイン療法がこれらの疾患の治療法として考案された.中でも,ヒトでの抗原性を減らしたヒト化抗IL-6受容体抗体は,反復使用を行っても中和抗体が出現しにくく,血中半減期がヒトのIgGとほぼ同等近くまで延長した.効果においても,随伴する症状が著明に改善し, QOLを高めた.現在,本邦のみならず,海外においても,実用化に向けて臨床試験が行われている.