日本内科学会雑誌
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2.疫学
島本 和明
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2004 年 93 巻 4 号 p. 642-647

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抄録

NCEP-ATPIIIの臨床基準を腹部肥満の基準を本邦のガイドラインを用いて補正,使用すると, metabolic syndromeは,本邦の疫学研究でも40歳以上の男性で25%を占めており,多くがインスリン抵抗性を有している.また,冠動脈疾患の危険因子が重積することより,動脈硬化性疾患の高リスク病態であり, 5年間の追跡調査の結果では,心血管系イベント発症は,非metabolic syndromeに比ベて2.5倍有意に多かった.このようにmetabolic syndromeの概念は本邦においても有用であり,生活習慣病の予防上,本疾患概念の応用が有用と思われる.

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