2005 年 94 巻 5 号 p. 886-890
痛風・高尿酸血症に合併する腎障害は高尿酸血症および高尿酸尿症に伴い尿酸塩結晶が尿細管腔および間質に析出することが主因の1つと考えられる.さらに,痛風に高率に合併する生活習慣病による細動脈硬化が加わり,広義の意味での痛風腎が形成されていくものと考えられる.最近では,高尿酸血症モデルラットにおいて,高尿酸血症自体が腎細動脈硬化に直接関与している可能性も示唆されている.また慢性糸球体腎炎における高尿酸血症は,慢性糸球体腎炎の長期腎機能予後に対する危険因子であることが明らかとなった.