教育方法学研究
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原著論文
中学校数学科のグループ学習における課題の目的に応じた生徒のダイナミックな関係
N. ウェブの「援助要請」を手がかりとして
山路 茜
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2014 年 39 巻 p. 25-36

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抄録

 本研究の目的は,中学校数学科のグループ学習のあり方が課題の目的に応じてどのように異なるかを明らかにすることである。その為に同一4人グループの談話をウェブによる「援助要請」に手がかりを得て検討した。授業で教師によって提示された課題はその目的の違いから【解決志向課題】と【意味理解志向課題】に分けられた。【解決志向課題】では生徒が正しく答えを得ること,【意味理解志向課題】では生徒が数学における定義や性質に立ち戻りながら,なぜその解き方がよいのかを相互に探究することが目指されていた。各課題に取り組む際の援助者と被援助者の関係を分析した。  その結果,以下の3点が示された。第1に【解決志向課題】に際しては,該当の問題を解ける生徒が解けない生徒に知識を伝達し解き方を教えるタイプの談話が生じやすい一方で,【意味理解志向課題】については,自分たちの思考や問いを話題として数学の意味を協働的に探究するタイプの談話が生じていたことがわかった。第2に課題の目的に応じて生徒は各々援助要請と援助のバランスやパターンを変えてグループ学習に参加していた。そして第3に精緻化された援助がなされた議論の際には,納得するまでパターンを変えつつ諦めずに援助要請を続けること,誤ることをおそれず自分の考えを述べること,受けた説明を自分の言葉で言いかえることという援助要請の振る舞いが重要な役割を果たしていることが描かれた。

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