教育方法学研究
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原著論文
小学校体育科のボール運動の授業における学習集団の形成過程に関する事例研究
エンゲストロームの活動理論を手がかりとして
加登本 仁大後戸 一樹木原 成一郎
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2014 年 39 巻 p. 83-94

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抄録

  本研究の目的は,エンゲストロームの「活動システムモデルJを分析の枠組みとして援用することにより,フラッグフットボールの授業で子どもたちがどのような「活動システム」のもとで学習集団としての集団を発展させていくのかを事例的に明らかにすることである。
  筆者らは,小学校4年生で、行われたフラッグフットボールの授業を対象とした。そして,抽出したA班について,フラッグフットボールの授業における「活動システム」を解釈した。
  その結果,フラッグフットボールの単元前半から単元後半にかけて,A班の「活動システムjは肯定的な変容が解釈され,影響を与えた要因には,以下の4点が考えられた。
 1 )子どもが授業のねらいである戦術的課題に向かえるように使用するボールを易しいものにしたり, 基礎的なボール操作の技能を保障したりすること。
 2)一人ひとりの子どもの役割が明確になり,立案した作戦がゲームで生かされる必然性を持った教材を用意すること。
 3 )立案した作戦をゲ}ムによって検証し,よりよい作戦へ修正する時間を保障すること。 また,作戦 を修正するための戦術的知識を,集団思考によって深める時間を設定すること。  
4)教師は,集団スポーツに潜む「優勝劣敗・弱肉強食」といった文化的特性に配慮するとともに,子どもたちの間で生起している「内的矛盾Jを適切に把握し,それに子どもたちを直面させ,対話を通して集団的に解決していくこと。
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© 日本教育方法学会
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