抄録
本研究は,高等学校において総合社会科の原理にもとづいた評価基準を明らかにするための探索的研究である。
知識基盤社会といわれる現代において,社会認識を育成する授業には,歴史・政治経済・地理など科目の枠を超えた総合社会科にもとづく授業が必要である。しかし評価の基準が明確でなければ,実践した授業における評価ができず,授業の検証・改善といった聞かれた授業開発が行うことができない。
総合社会科の原理は通時的認識と共時的認識の往還によって,高次の学習にいたることであると定義する。この原理にもとづいて評価指標を開発する。
本研究の目的は総合社会科の授業記録や生徒の記入したワークシートなどにもとづき,課題別ループリックを開発することによって,評価基準を示し,一般的ルーブリックの基準を明らかにすることを目的とする。