抄録
本研究では高層建物の周囲に位置する低層建物の屋根及び壁面のピーク風圧係数を風洞実験により分析した。壁面に正対する風向を0度として、5度ピッチで355度まで、計72風向について検討し、高層建物が1棟建っている条件の下、周囲の建物のピーク風圧係数が受ける風向の影響を評価した。風向角30度では、高層建物の風下側に位置する低層建物で正及び負のピーク風圧係数の両方が発生した。正のピーク風圧係数は低層建物の正面壁の風上コーナー部に現れ、その値は高層建物が無いケースの約1.5倍となった。また、負のピーク風圧係数は低層建物の屋根面の風上コーナー部に現れ、その値は高層建物が無いケースの約3倍となった。