抄録
建築物の耐風設計および強風リスク評価において、建築物周りの風速場の計測は重要である。しかし、現在の風速計測技術では、地表面付近の風速場を同時に高解像度で計測することは困難である。著者らの研究グループでは、PTV技術を活用し雨滴の飛散経路を計測することで風速を推定する手法の開発に取り組んでいる。本報告では、実環境で雨滴を追跡する方法を紹介する。具体的には、2台のカメラを用いて地上に設置した校正用板に対して校正用画像を取得し、カメラの相対的な位置と姿勢を固定したままカメラの視線を上空に振り向けることで計測対象領域の雨滴を撮影する。このための治具を製作し、また試験的に屋内環境で計測を行ったので報告する。