年金研究
Online ISSN : 2189-969X
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日本における老後のための資産形成に向けた基礎的条件
日本の従業員の実態に即した資産形成手段の検討と内外比較
瀧川 一
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2022 年 17 巻 p. 84-136

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抄録

 老後の資産形成の手段として、年齢に応じた資産配分の運用「グライドパス運用」が推奨される。個人でのグライドパス運用は現実的にハードルが高いため、米国などの確定拠出型年金では、グライドパス運用が内包されたターゲット・デート・ファンドなどが資産形成の中核的な手段となっている。今後日本でも普及が見込まれるものの、日米では社会・制度・賃金などで大きな違いがあることから、米国のグライドパスが日本でも最善であるとは考えられず、日本専用の設計が求められる。当研究では、日本の従業員に関するデータおよび制度状況を用いて、日本専用のグライドパス設計を試み、日本人が確定拠出年金などで本来配分すべき株式資産の投資比率を検証するとともに、米国との比較の観点で日本固有の事情が与える影響を測定した。

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© 瀧川一
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