2019 年 12 巻 2 号 p. 59-64
ビワ‘なつたより’における大果生産技術を確立するために,果実重と開花日,果房当たり果実数および積算温度との関係を調査した.果実重は,11月中旬~1月上旬開花では60 gを超え,1月中旬開花では最小であった.果房当たり果実数2個では同3個および4個よりも,果実重がやや大きかった.開花が遅くなると,果形指数は大きくなり,果実縦断面の形は短卵形から円形になった.果実重と成熟日数および基準温度0 ℃の積算温度との間には,有意な二次相関が認められ,果実重は成熟日数145~160日,基準温度0 ℃の積算温度1,750~1,900 ℃・日で最大となった.積算温度の基準温度を0~13 ℃の範囲で1 ℃単位で変更した場合,基準温度10 ℃のとき,積算温度の変動係数は最も小さく,そのときの積算温度は532 ℃・日であった.