2018 年 39 巻 1 号 p. 27-34
1997 年に世界初の量産ハイブリッド車が市場に登場して以来,プラグインハイブリッド車や電気自動車(EV)を含めた次世代自動車の販売台数が世界で増加を続けており,温室効果ガス削減や大気汚染対策の観点からもこの動きは継続するものと思われる。次世代自動車のさらなる増加が予想される中,航続距離拡大の観点からバッテリーの有効利用の重要性が増している。バッテリー消費の主な原因の一つとしてエアコン負荷が挙げられる。 これを改善するため,車室内温度を早く目標温度に到達させ,目標温度の維持に必要なエアコン負荷を下げる自動車内の熱マネジメントが注目されている。本稿は冬場の暖房負荷を例にとり,車室内部品に求められる性能とは何か,金属および他樹脂と比較した場合のポリウレタン樹脂の優れた特性とは何か,そしてポリウレタンを使用した場合のEV のバッテリー消費量への影響度推算について報告する。ポリウレタンを車室内部品として使用することで,熱マネジメントの観点からバッテリーの消費量を抑え,電気自動車の航続距離を向上させる可能性があることを示す。