2020 年 41 巻 6 号 p. 226-236
新しいネットワークポリマーの構成要素として複数の架橋構造を導入することを目的とし,ポリエチレングリコール(PEG)とシクロデキストリン(CD)からなる擬ポリロタキサンを,ポリ乳酸(PLA)の開始剤に用いた。将来的に,擬ポリロタキサン構造とPLA ステレオコンプレックスを架橋部位として利用するために,新しい分岐ポリマーを調製した。ここでは,擬ポリロタキサンの軸成分であるPEG 両末端の水酸基と環成分であるCDの水酸基が,それぞれラクチド重合の開始部位として利用した。擬ポリロタキサンおよび分岐ポリマーは,水およびアセトンによる溶解性の差を利用して分別して回収した。PEG は数平均分子量1500 および6000 のものを用いたところ,溶解性の差が観測された。また,α-CD とγ-CD を利用することで,貫通するPEG 軸の数を変化させることを試みた。これら調製された擬ポリロタキサンおよび分岐ポリマーは1H NMRおよびSEC分析によって確認し,熱重量分析によって耐熱性を比較した。