2021 年 42 巻 1 号 p. 2-8
近年,可視光照射によって駆動される反応に関する研究が活発に行われており,可視光によって励起する光レドックス触媒を用いることで,さまざまな結合生成反応が開発されている。本研究では,これまで著者らが開発してきたイミン類の可視光駆動型還元的カップリングを用いることで,新たなネットワークポリマーの合成を検討した。具体的には,モノマーとしてベンズアルデヒドとトリアミンの脱水縮合により得られるトリイミンを用い,光レドックス触媒としてペリレン,電子ドナーとしてジイソプロピルエチルアミンを加えて可視光を照射した。その結果,イミノ基の還元的カップリングが効率よく進行し,対応するネットワークポリマーが得られた。