2022 年 43 巻 5 号 p. 189-197
ビスフェノールE 型ジシアネート(DCBE)へのポリエーテルスルホン(PES)ブレンドが硬化樹脂の難燃性に与える効果について調べた。DCBE/15 wt%PES ブレンドを3 種の昇温速度にて200 ℃に到達させ硬化したところ,同じ組成物であっても反応誘起型相分離により生じる相構造サイズおよび2 相のガラス転移温度(Tg)は昇温速度に応じ変化した。すなわち,昇温速度が遅いと相構造サイズが小さくなり両相のTg が近づき,昇温速度が速いと相構造サイズが大きくなり両相のTg が遠ざかった。相構造が中間サイズ(約10 μm)の時,3 種の中で自己消火時間が最も短く,難燃性が高くなった。相構造サイズが20~40 μm と大きい時,着火時に相界面に剥離が発生し難燃性が低下した。一方,相構造サイズが2~3 μm と小さい場合にも中間サイズより難燃性が低下した。PES リッチ相に含有されるDCBE 成分量が多くなり,難燃ドメインとしてのPES リッチ相の役割が低下したと考えられた。