2023 年 44 巻 4 号 p. 186-191
エポキシ樹脂用潜在性硬化剤中の遊離BPA の簡便かつ高感度な定量を目的として,高速液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計(LC-MS/MS)による検討を行った。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の移動相は0.01%酢酸水溶液とアセトニトリル,カラムはL-column3 C18(2.1×150 mm,3 μm) を用いた。MS/MS のイオン化モードはエレクトロスプレーイオン化法(ESI)で,多重反応モニタリング(MRM)のモニターイオンはm/z 227>133 と設定した。サンプル溶媒には,サンプルが溶解し移動相と混和したN, N-ジメチルホルムアミド(DMF)を使用した。LC-MS/MS による定量を内標準法と標準添加法で行い,これらは同等の値を示したことから,夾雑成分の影響を受けずに定量できていることがわかった。この結果から,本手法を用いることで潜在性硬化剤中の遊離BPA を簡便かつ高感度に定量可能であった。